インプラントアンカレッジ(TAD)、インプラント矯正

implant anchorage/ temporary anchorage device/ (TAD)

歯列矯正では、動かしたい方向に向かって力を荷重することにより歯を動かします。「歯に力をかける」ということはすなわち、必ず「作用・反作用」の関係になるため、必要な力を発生させるための反作用を負担する場所が必要になります。
程度の緩やかな不正咬合の歯列矯正では、歯と歯の相互の動きなどを利用すれば充分です。しかし歯の移動距離が多い場合や、矯正治療上困難とされる移動が必要な場合など、歯列矯正をおこなうための反作用を受け止める場所が足りない場合には、ヘッドギアや顎間ゴム、ナンスのホールディングアーチなどの加強固定（反作用を負担する場所を増やすための工夫）を追加して矯正治療をおこないます。
しかしヘッドギアや顎間ゴムなどは、患者さん自身に着脱してもらうタイプの装置のため、万が一使用時間が少なかったりすると十分な効果が得られず、治療が長引いたりうまくいかない場合が出てきます。
インプラント矯正では、力の反作用をうけとめるために、チタン合金の小さなピン=ミニインプラントを、矯正治療中のみ歯槽骨に埋入します。歯列矯正における力の反作用をインプラントに負担させることにより、患者さん自身に面倒な装置の着脱をお願いする必要がなくなり、また、困難な歯の移動を確実におこなったり、治療期間の短縮などが可能になります。
インプラントといっても、補綴（入れ歯の治療）で使用するような大掛かりなものではなく、歯列矯正における抜歯よりもむしろ負担の少ない程度の処置になります。（歯列矯正に使用するインプラントは直径1mm程度、長さが1cm〜1.5cm程度です）歯列矯正の終了後のミニインプラントはもちろん撤去します。
正式名称temporary anchorage deviceを略してTADと表記します。TADを併用した歯列矯正を一般的にインプラント矯正といっています。

 

当サイトのサイト内検索はyahooの検索エンジンを利用しています。そのため、矯正用語の追加・修正・編集の直後はインデックスされていない場合もありますので、サイト内検索ではお探しの矯正用語が見つからない場合には、五十音順の登録単語一覧から探してみてください。