緩徐拡大(かんじょかくだい)・緩徐拡大装置

slow expansion

奥歯(臼歯)を外側に傾斜させて歯列の拡大をおこなう方法。
歯の傾斜移動による歯列の拡大=歯槽骨の範囲内での歯の移動による拡大。
単純に歯の移動による拡大なので、年齢・成長発育段階を問わず可能な拡大方法です。歯が生えている「歯槽骨」の範囲内での歯の移動なので、おのずと拡大できる幅(量)には限界があります。(急速拡大とは異なり、正中口蓋縫合歯槽骨の幅など、骨(骨格)に変化をおこすことはできません)
緩徐拡大装置は患者さん自身で着脱する可撤式のものと、歯科医師が調整をおこなう固定式のものとがあります。歯列の拡大に要する期間は半年〜1年以上と、長期にわたり徐々に拡大をおこなうので「緩徐拡大」といいます。  
拡大が適切な歯ならびの状況かどうかは、歯列模型の模型計測やセファロ分析など、矯正治療の検査・診断に基づいて判断するべきと考えられます。狭窄している幅の狭い歯列を拡大するのはもちろん必要な治療です。
抜歯/非抜歯に関する考え方は様々ですが、一般論として、不正咬合の状態にあわせた適切な方針が選択されるべきであり、本来抜歯が必要となる不正咬合において、無理な拡大による非抜歯の矯正をしても、良好な結果とならない場合もあります。(もちろん逆に、非抜歯でおこなうべき症例で抜歯をおこなうことも良好な結果とはなりません)
患者さんだけでなく歯科医師も、できるだけ抜歯を避けたいと考えていますので、そのうえで、検査結果に基づいた適切な治療方針で矯正治療することが大切だと思います。

 

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